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よくわかる循環器病・疾病
食事について
第2章 食事療法について
2.疾病別食事療法
(4)糖尿病
糖尿病は症状のない時期が長く、治療しないまま放置されるケースが多くみられます。しかし、糖尿病は動脈硬化の要因となるだけでなく、悪化すると網膜症、神経障害、腎症などの合併症も引き起こします。合併症の発症を遅らせ、日常生活を健康に送るために、食事療法は大切な治療法です。
糖尿病の食事療法では、血糖のコントロールが基本になります。必要なエネルギー量と栄養素を過不足なくとり、過剰な摂取をさけることが大切です。また、状態がよくなったからといって油断して暴飲暴食をしてしまうと、せっかくの治療がむだになります。医師、栄養士と連携をとりながら、長期にわたる食事療法を工夫しながら続けていきましょう。
食事療法の基本
1.適切なエネルギー量
医師の指導によって、患者さんの年令、性別、身長、体重、日々の生活活動量などに基づいた1日の食事の量(エネルギ−量)が決められます。糖尿病の患者さんは、1日の指示されたエネルギー量を守るために、ぜひカロリー計算をマスターしましょう。カロリー計算については下記をご覧ください。(
「適切なカロリー」
のページ参照)
2.バランスよく食べる
糖尿病の食事療法では、とくによい食品もありませんが、食べてはいけない食品もほとんどありません。毎日、いろいろな食品をとり混ぜて、それぞれ適正な量を食べることが大切です。エネルギー量を減らすために、糖質を含む食品だけを減らすような献立はよくありません。エネルギー量が少なく、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な表6の食品を積極的に食べましょう。(
「栄養のバランス」
のページ参照)
3.アルコール、甘いものは控えめに
糖分を多く含む甘いお菓子などは、血糖の上昇につながるので控えたほうがよいでしょう。甘いものやアルコールは中性脂肪を増やす直接の原因にもなります。また、食事が不規則になりやすいので気をつけましょう。(
「食物繊維・その他」
のページ参照)
4.食物繊維をとる
食物繊維はコレステロールを減らし、脂質の吸収を抑える効果があります。野菜、海草類、豆類、いも類、こんにゃくをメニューにとり入れて、積極的に食べるようにしましょう。(
「食物繊維・その他」
のページ参照)
5.1日3食きちんと食べる
同じエネルギー量の食事でも、1食だけに集中して食べると血糖の変動が大きくなります。3度の食事は均等を基本とし、規則正しく適量食べるようにしましょう。
◇糖尿病の食事療法におけるカロリーの計算方法
(具体的なカロリー計算の方法については、医師や栄養士の説明をよく聞いてください。)
糖尿病の食事療法では、
80kcalを1単位
として計算する食品交換表を活用したカロリー計算が用いられます。1日の指示エネルギー量が1,600kcalならば、20単位ということです。また、エネルギー量だけでなく、どのような食品からどれだけのエネルギーを摂取するかというバランスも大切です。
糖尿病の食事療法では、必ず下記の表が使用されます。同じ表の食品は、同じ単位ずつ交換できますが、違う表の食品とは交換できないことから
食品交換表
と呼ばれてきました。 この食品交換表では、含まれている栄養素が似ている食品を一つのグループにまとめて、
6つのグループ
に分けています。各自の食習慣や嗜好にも合わせて食品交換表を活用し、医師・栄養士と相談しながらバランスのよい食事を続けていきましょう。
6つの食品グループ
分類
食品
主に糖質を
含む食品
表1
穀類
(ごはん、うどん、中華めん、もち、パン、そば、スパゲティ、コーンフレークなど)
、いも
(さつまいも、じゃがいも、やまいも、里いもなど)
、糖質の多い野菜と種実
(とうもろこし、かぼちゃ、れんこん、くり、ぎんなんなど)
、豆類
(大豆は除く。あずき、そら豆、グリーンピースなど)
表2
くだもの
(りんご、なし、洋なし、桃、ぶどう、バナナ、みかん、グレープフルーツ、いちご、柿、スイカ、メロン、びわ、パイナップル、パパイア、マンゴーなど)
主にたんぱく質を含む食品
表3
魚介類
(たい、たら、あじ、かつお、まぐろ、さけ、さんま、あさり、ほたて、はまぐり、イカ、たこ、えび、かに、うに、かまぼこ、はんぺんなど)、肉類(牛サーロイン、牛ヒレ、牛もも、牛ひき肉、豚ロース、豚ひき肉、鶏むね、鶏もも、鶏手羽、鶏ささみ、鶏ひき肉、ひつじ、あひる、鶏すなぎも、レバー、牛タン、ハム、ソーセージなど)
、卵
(鶏卵、うずら卵、卵とうふなど)
、チーズ
(プロセスチーズ、カマンベールチーズ、パルメザンチーズなど)
、大豆とその製品
(大豆、絹ごしとうふ、木綿とうふ、おから、生あげ、あぶらあげ、枝豆、納豆、きなこ、ゆば、豆乳など)
表4
牛乳・乳製品
(チーズは除く。牛乳、低脂肪牛乳、ヨーグルト、エバミルク、スキムミルクなど)
主に脂質を含む食品
表5
油脂
(ドレッシング、マヨネーズ、植物油、マーガリン、バター、ラードなど)
、多脂性食品
(アボカド、ベーコン、豚ばら肉、サラミ、クリームチーズ、アンコウ肝、胡麻、アーモンド、ピスタチオ、ピーナッツ、ポテトチップスなど)
主にビタミン、ミネラルを含む食品
表6
糖質の多くない野菜
(アスパラガス、小松菜、さやいんげん、トマト、にんじん、ピーマン、ブロッコリー、ほうれん草、かぶ、キャベツ、きゅうり、ごぼう、セロリ、大根、たけのこ、たまねぎ、なす、レタスなど)
、海草類
(昆布、のり、わかめ、いわのり、ところてん、ひじき、もずくなど)
、きのこ類
(しいたけ、えのきだけ、まいたけ、きくらげ、マッシュルーム、しめじなど)
、こんにゃく
(板こんにゃく、しらたきなど)
調味料
みそ、砂糖、みりん、トマトケチャップ、はちみつ、カレールーなど
*糖尿病のカロリー計算でいう"表"とは、食品のグループのことです。
いわゆる6群表とも分類が違いますが、糖尿病の食事療法で長く用いられ、効果を出している分類法です。
カロリー計算をするための必要物品
1.筆記用具
2.ノート
3.電卓
4.台ばかり
5.糖尿病治療のための食品交換表
カロリー計算の方法
1.食べたい料理の材料をメモする。
2.食品を交換表のグループに分ける。
3.グループごとの1食の単位類が指示どおりになるよう単位を材料ごとに配分し、食べられる量を割り出す。
(単位配分×1単位重量=食べられる量)
4.食品の重さを計る。
(慣れてくると、厳密に計量しなくても目分量で見当がつくようになるでしょう。)
食事療法を長続きさせるコツ
・家族と同じ食事をとる
特別に難しく考えて、糖尿病食として別に調理していると長続きしなくなります。量を制限すれば家族と同じ食事をとっても問題ありません。その場合、大皿からとり分けると分量がわかりにくくなるので、自分の指示単位に合わせて食べる分だけとり分けておきましょう。また、小皿や小鉢を利用し皿数を多くして、食卓をにぎやかにするのもよいでしょう。
・味は薄味に
味を濃くすると主食をたくさん食べてしまうので、薄味の食事に慣れましょう。材料の新鮮なものを利用することで旨味、香りなどをいかすようにするとよいでしょう。
・低エネルギー食品で満腹感を
肥満を伴った糖尿病の食事では、空腹感との戦いはやむを得ません。きのこ類・コンニャク・海草などを上手に利用しましょう。また、よくかむと少ない量で満腹感が得られます。
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