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僅か20年前には思いもつかなかった子供(12歳前後)の2型糖尿病が、世界中で疫病のようにまん延し始めました。 一方で、生活習慣のせいで発症したのではない1型糖尿病の子供達に明るい未来が開けつつあります。 ここには目を見張るばかりの科学の進歩がみられます。1型がどのような免疫システムの誤作動で始まるのか、少しずつ分ってきました。これが解明できればワクチン療法による予防も夢ではありません。
インスリンを作る膵島移植も成功例がでてきました。膵島の培養や増殖のメカニズムが分れば、より現実的なものになります。 クローン技術の進歩で、拒絶反応のないミニブタの膵島移植も地平線上に見えてきました。体内に埋め込む人工膵臓の開発もスピードアップしています。動物実験の段階では、初めてのインスリンの遺伝子治療の成功も伝えられています。
悪いニュースの代表が子供の2型です。診断も治療も、とても難しいものがあります。大人だって出来ない減量を、発育期の子供達がどうやってするのでしょうか。経口剤だって子供の治験は不完全です。インスリンを使えば肥満が進みます。そして早くも30歳代には重い合併症に直面するであろうことが十分予知できます。 今できることは家庭での肥満予防しかありません。
1型の子供達にこんなに明るい話題があるのに、厳しい現実も待ち構えています。 小児科の医師が足りないのです。これは日本だけの問題ではありません。 アメリカ糖尿病協会の発表では、小児内分泌学者のレジデントが全米で15人位しかいないだろうとされます。特に小児糖尿病の専門医のなり手がないそうです。ただでさえ少ない小児内分泌学を志す研修医が、『発育不全』や『副腎皮質過形成』といった分野に関心を持って、小児糖尿病が人気薄です。糖尿病の学習プログラムの不備も指摘されています。
アメリカ糖尿病協会・前会長のロバート・S・シャーウィン医師によると、小児糖尿病専門医はあまり金になりそうもなく、研修期間も長く要求され、高額な学資のローンに見合う程の魅力がないのだそうです。どうやって若い医師を惹き付けるか、社会全体で考えなくてはならない時代です。
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ガイド:河合 勝幸
アメリカ糖尿病協会プロフェッショナル・セクション会員、(有)クラブ・イスパノフィーロ社長。38歳の時、2型糖尿病と診断。著書に『美食をあきらめないで−糖尿病新レシピ−』(集英社Be文庫) 等がある。
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