なぜ、インスリンを出す細胞が破壊されるのでしょうか? いくつかのメカニズムがあると考えられていますが。その主なものとして免疫の異常が関係しているケースが考えられています。免疫とは、体内に病原体や異物が侵入してきた時にそれを撃退し体を守るシステムです。このシステムの主役はリンパ球といわれる一連の免疫細胞です。この免疫細胞のうちTリンパ球といわれる細胞は、ちゃんと病原体/異物と自分自身を構成している細胞を見分けて、見知らぬものが侵入してきたら速やかにキラー細胞(攻撃型細胞)に指令を送り、直接、異物を破壊したり、また抗体を介して侵入者を撃退することにより生体を守っています。このように生体には自己認識機構(自己と非自己を識別するメカニズム)が存在します。それを自己免疫寛容といいます。このメカニズムで重要な役割をしているのが主要組織適合抗原(MHC)=HLA(ヒト白血球抗原)という細胞表面に存在する抗原(目印)ですが、このHLA近傍の遺伝子の異常ががこの免疫寛容の破綻に関与しており、これにより自己の免疫細胞の膵B細胞に対する攻撃がはじまり、最後には破壊されてしまうわけです。
