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 血糖値が高めの人の食事学 

2010年には糖尿病人口が
1000万人を越えかねません。

 自覚症状のないまま病状が進み、多くの合併症をまねく糖尿病。
成人の失明の原因の第1位、人工透析を受けなければならなくなる原因の第1位はいずれも糖尿病です。
 日本人は欧米人にくらべ、体質的に糖尿病になりやすいといわれていますが、それ以上に過食や運動不足、 そしてストレスの強い現代社会が背景となり、この50年間にわが国の糖尿病患者は20倍に増え、 2010年の患者数は1080万人に達するものと予測されています。
 このため、2010年をゴールとする国民健康づ<り運動「健康日本21」では9分野のひとつに 「糖尿病」を掲げ、一人ひとりの生活習慣改善を促しています。
このページでは、血糖値が高めの人のための食生活のポイントをまとめ、食事指導の新しい指標として 注目されているGl(グリセミック・インデックス)についてQ&Aで解説しています。



 血清中のブドウ糖(血糖)を筋肉や脂肪組織にとりこむ働きをするのが膵臓から分泌さ れるインスリンというホルモン。
糖尿病はそのインスリンの量や働きが低下し、血糖値が高くなる病気で、遺伝その他の原因により インスリンを合成できない1型、インスリンがある程度、分泌されていても、その働きが発揮 できない2型に分かれます。
 90%以上を占める2型糖尿病は過食や運動不足などの生活習慣に起因し、肥満と深く関わっています。
 肥満を改善するだけで治る可能性がある一方、放置していると、グリケーションが進み、さまざまな合併症を まねきます。
 血糖値が高めといわれるレベル(糖尿病予備群)でもグリケーションが進み、動脈硬化などによる循環器病の危険が 2〜3倍に高まります。
 食生活の改善に今すぐ取り組みましょう。

グリケーションとは
生理的に重要な機能を担うたんばく質にブドウ糖が結合することをいいます。
その代表的な指標として用いられているのがHbA1c(ヘモグロビン・エ一・ワン・シー)。
血液中のヘモグロビンのうちブドウ糖と結合したものの%を示す数値で、過去1〜2ヵ月の血糖値のレベルを 反映します。









 肥満の人や血糖値が高めの人に甘いものは禁物、というこれまでの栄養指導が見直されています。
糖質のとり方の新しい指標として注目されるGlについて聞きました。
        回答:昭和女子大学大学院教授 木村 修一 先生

GI(グリセミック・インディクス)とは何ですか?



 食事で糖質をとると、血糖値が上昇し、インスリンの働きで血糖が筋肉などにとりこまれ、 2〜3時間後には元のレベルに落ち着きます。
同じ糖質を含む食品でも、食後の血糖上昇が急激なもの、ゆるやかなものがあることがわかってきました。
 その指標となるのがGIです。食後2時間までに血糖値が描く曲線の積分値、つまり曲線の下の面積を計算します。
ブドウ糖50g(または糖質50gを含む白パン)を摂取したときの面積を100として、その食品の面積がいくつになるかを示したのがGIで、値か低いほどインスリンを節約し、糖尿病の予防にすすめられる 食品と一応、言えます。

 一応、と言うのは、同じ食品でも、他の食品との組み合わせによってGIが上下するからです。 たとえばパンのGIを100とすると、パンとカテージチーズをとったときのGIは80。胃の中でたんぱく質が 糖質にからみ、分解吸収が遅くなるためと考えられます。

単品でのGIが低い食品にはどんなものがありますか?

 豆類のGIは非常に低く、海外の研究では20〜30とされています。
ただ、豆は主食になりませんので、主食ないしは糖質との組み合わせてGIを下げる食品ということです。
 私たちの研究では、パンを100とすると、砂糖を加えたゆであずきやようかんが60〜70でした。
しかし、すべてのようかんがそうではなく、GIは調理法によっても変化するのです。
 このため、食事全体としての血糖値応答を表す提案もあり、グリセミック・ロードとよばれています。


砂糖は以外にGIが低いのですね?

 そうですね。パンを100とすると、ごはんは97で差がありませんが、砂糖は91でした。 従来、砂糖は肥満や糖尿病の元凶のようにいわれてきましたが、最近では脂肪のほうが問題視されています。  砂糖をとった際に血糖値が反応する感受性には個人差があるようで、一概に低GI食品とはいえませんが、 たまに飲むコーヒーや紅茶に砂糖をスプーン1〜2杯入れることで血糖値を心配することはないと思います。

調味料では、お酢もGIを下げるそうですが?

 寿司、酢の物など、砂糖を使うメニューでは、酢と砂糖の組み合わせで考える必要がありますが、 酢そのものはGIを下げる方向に働くと考えられます。酢酸には糖質の吸収を遅くする作用があるようで、 ごはんにくらべ寿司めし(ごはん+酢)は食後の血糖上昇が抑えられることが実験で明らかにされています。 寿司は魚介類のたんばく質もしっかりとれますので、同量のごはんにくらべ、血糖上昇かゆるやかで、 インスリンの節約になるでしょう。

低GI食品がダイェトに役立つと聞きましたが?




 インスリンは血液中のフドウ糖を筋肉や脂肪組織にとりこむ作用を促進しますので、 インスリンを節約する食事が肥満の予防や改善に役立つというのは、正しいと思います。
ただ、GIは食品の中の糖質についての指標ですので、これだけで食事パターンを評価することは できません。マスコミを通じて流布される情報のなかには、GIの定義からはずれるものも目につきますが、 栄養士の皆さんには正しい定義を理解して栄養指導に活用していただきたいものです。

このページは(社)日本栄養士会の企画・編集・発行による「健康日本21リーフレットNo5」
(監修:昭和女子大学大学院教授・東北大学名誉教授
     健康日本21推進フォーラム理事 木村 修一)を
ホームページ用に(社)神奈川県栄養士会情報管理委員会が編集しました。

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