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糖尿病の

判りやすい新分類と
新しい診断基準

これまで使われてきた糖尿病の分類名が誤解を招きやすいことから、国際的な専門家からなる委員会で、名称を変更するような答申がなされた。これまでI型(Type I)、若年発症型、またはインスリン依存型糖尿病(IDDM)と呼ばれたものは、 type 1 diabetes(1型糖尿病).と呼ばれるようになった。これまでII型(Type II)、成人発症型、またはインスリン非依存型(NIDDM)と呼ばれたものは、今ではtype 2 diabetes (2型糖尿病)である。新しい名前は、治療方法や発症の時期によるものではなくなっている。
(訳者注 IDDM,NIDDMの名称や診断基準は1979にアメリカ糖尿病学会、1980にWHO、1982に日本糖尿病学会で決定されました。今回の変更は、1997にアメリカで勧告され、1998にWHO、1999に日本でも決定されています。)


糖尿病空腹時血糖値の引き下げ

専門委員会は糖尿病診断のための空腹時血糖値(FPG)の引き下げを勧告した。新しいFPG値は、これまでの140 mg/dl またはそれ以上から引き下げられ、126 mg/dl またはそれ以上となった。この勧告は15年以上の研究の結果を2年にわたって点検した結果である。この研究によると、絶えず血糖が126 mg/dl 以上であると、心臓病や失明のような糖尿病併発症が急激に増加し、糖尿病と診断される前に発病することが示された。専門家たちは、早期の診断と治療によって、費用がかかり手に負えない併発症を予防したり発現を遅らせることができると、信じている。

初めて、これらの専門家たちは、45才またはそれ以上の成人は糖尿病の検査をするべきであることを、提唱した。最初の検査で血糖値が正常ならば、3年ごとに検査すべきである。45歳以下の人でも、糖尿病の危険(リスク)があるなら、検査を受けるべきである。危険因子は次の通りである。

  • 理想体重より20%重かったり、 body mass index (BMI) が27 kgm/mまたはそれ以上の場合

  • 一等親(母、父、同胞)に糖尿病患者がいるとき

  • 危険度の高い民族(アフリカ系、スペイン系、アジア系、先住アメリカ人)の一員であるとき

  • 9ポンド(4kg)以上の赤ん坊を産んだり、妊娠中に糖尿病になった場合

  • 血圧が 140/90 mm/Hgまたはそれ以上の場合 

  • 血液脂肪に異常があるとき、たとえば高比重リポタンパク質 (HDL)が 35 mg/dl またはそれ以下、またはトリグリセリドが 250 mg/dl またはそれ以上のとき

  • 以前に糖尿病検査でグルコース負荷試験で異常があった場合

専門家委員会は、以下にあげる3つの試験のうちのどれかが陽性で、二回目の試験を他日に行って陽性ならば、糖尿病の診断が確定される、と述べている。

  • 空腹時血漿グルコース値が 126 mg/dl またはそれ以上の場合

  • 非空腹時血漿グルコース値(適当なときに採血したもの)が 200 mg/dl またはそれ以上で、糖尿病の症状のある場合

  • 経口グルコース負荷試験 (OGTT) において、2時間後血液が 200 mg/dl またはそれ以上の場合。(OGTTは3時間にわたって、医師または検査室によって行われる。空腹状態の被験者は採血された後に、グルコース溶液を飲む。その後で、3時間にわたって毎時間、被験者は採血され、グルコースが測定される。)

専門家委員会は空腹時血漿グルコース測定は 経口グルコース負荷試験 より好ましいと答申している。前者は費用がかからず、施行しやすく、被験者にも楽だからである。

新しいグルコース不耐症(空腹時血糖異常 impaired fasting glucose (IFG))が定義された。これは空腹時血漿血糖が 110 mg/dl またはそれ以上で、 126 mg/dl 以下の場合である。すでに存在している耐糖能異常impaired glucose tolerance(IGT)は、OGTTにおいて、2時間値が 140 mg/dl またはそれ以上で、200 mg/dl 以下の場合と定義された。


妊娠時糖尿病の診断

専門家委員会はまた妊娠時の糖尿病診断方法の変更を勧告している。すなわち、妊娠糖尿病のリスクが低い婦人は糖尿病検査をする必要がないと述べている。リスクが低いグループは次の通りである。

  • 25才以下

  • 正常体重

  • 糖尿病の家族歴がない

  • リスクがい民族の一員ではない

リスクが低いグループに属さない婦人は妊娠24週から28週の間に妊娠糖尿病の検査を受けるべきである。