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| 監修 東京慈恵会医科大学内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授 |
田嶼 尚子 |
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| わが国の糖尿病人口はその予備軍を合わせ1620万人にものぼり、まさに国民病といえる様相を呈しています。糖尿病で大事なことは、早期発見、早期治療して合併症を防ぐことですが、その早期発見の目安になるのが「食後の高血糖」です。健診や人間ドックで空腹時の血糖値には異常がなかった人の中にも、この食後の血糖値が高い“糖尿病予備軍”が大勢います。あなたは大丈夫ですか? |
| 1.血糖値は正常でも"糖尿病予備軍"だったAさん |
| 広告代理店の営業部長をつとめるAさん(53歳)は美食家で、お酒にも甘い物にも目がありません。体型は、内臓脂肪が多いといわれるいわゆるリンゴ型。もう少しおなかを引っ込めなくてはと思うものの、年に一度の人間ドックでは血糖値はいつも正常だったため、「自分は糖尿病の心配はない」と自信を持っていました。 |
| ところが、一昨年、恒例の人間ドックを受けたあと、いきなり医師から爆弾宣告を受けたのです。「あなたは、もう糖尿病の予備軍になっています。このまま放っておくと本当の糖尿病になって、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすくなるだけでなく、目が見えなくなったり、脚を切断したりする事態にもなりかねません。それがいやなら、今日からさっそく生活改善を始めてください」。 |
| Aさんにとっては、まさに晴天のへきれきでした。検査では空腹時血糖値は105(mg/dl)。110を超えると境界型糖尿病と診断されますが、105なら正常の範囲です。「今回も糖尿病は大丈夫だった」とホッと胸をなでおろしたばかりでした。 |
| ところが、問題はヘモグロビンA1Cの値でした。空腹時血糖値がその時限りの値であるのに対して、ヘモグロビンA1C(HbA1C)、あるいはグリコヘモグロビンと呼ばれるこの値は、過去2〜3か月の血糖値の平均をあらわしています。Aさんは、このヘモグロビンA1Cの値が正常値の5.8(%)を大きく超えて7.2もあったのです。 |
| つまり、Aさんは、空腹時の血糖値は低かったものの、過去2〜3か月の血糖値の平均が高かったことから、食後の血糖値が高くなっているのではないかと推測され、糖尿病予備軍と診断されたのです。 |
| 「このままいくと深刻な事態になりますよ」という医師の言葉にショックを受けたAさんは、さっそく栄養士の指導のもとで食事療法を開始しました。1日の摂取カロリーを抑え、毎日欠かさなかったお酒や甘い物もグッとがまんして量や回数を減らし、できるだけ体を動かすようにしたおかげで、1年ほどで体重が10キロ余り減り、おなか回りもスッキリ。久しぶりに会う人がみんな驚くほどスリムになりました。空腹時血糖値もヘモグロビンA1Cの値も、今は正常を保っています。 |
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