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東洋経済新報社

●1,575円(税込み)
糖尿病が良くなるごちそうレシピ ─糖質制限食の実践法

江部康二・野 邦子著


今、糖尿病は大きく変わろうとしている

2002年の厚生労働省の調査によると、日本の糖尿病患者は約740万人にのぼり、その予備軍も加えると1620万人に達すると報告されています。40歳以上の1割が糖尿病という時代に入っているわけですが、その治療法の中心となるのが食事療法です。

でも糖尿病の治療食といえば、カロリー控えめで量が少なく、肉も魚もあまり入っておらず油っけも少ない、寂しい食事というイメージがあるのではないでしょうか。しかも、こうした糖尿病食を実行するには、食品交換表を見ながらカロリー計算をしなければならない煩わしさがあり、毎日、食事を準備する家族にも負担を強いることになります。

もっと食べたい、肉や魚を食べたい、そんな気持ちをおさえきれなくなる、あるいは食品交換表を見ながらのカロリー計算が面倒くさいなどの理由から、糖尿病食を続けられないという人は多いでしょう。

食生活というのは嗜好に大きく左右されるものですから、いくら病気だといって、急に今までの食事内容を大きく変えようとしてもままならないのは無理もありません。とくに、通常の糖尿病の治療では飲酒を禁じられますが、これは酒好きにとってはほとんど苦痛といってよく、我慢しきれずにこっそりと飲んでしまう人も珍しくないようです。しかも、糖尿病の場合は、よほど重症でない限り、食事療法のガイドラインを破ったからといって、即座に自覚できるような身体の不調が起こるわけではなりませんから、なおのこと我慢がむずかしいものです。

このように従来の糖尿病食には我慢がつきものでした。食べたいものも飲みたいものも我慢しなければ、将来、大変な合併症を引き起こす……。今までの糖尿病患者さんたちは、医者にそういわれて、泣く泣く糖尿病食を続けてきたわけです。

ところが、現在、糖尿病食の考え方は変わろうとしています。事実、欧米では、糖尿病の食事療法の方針が大きく変わりつつあり、従来の食事療法だけが有効なわけではなく、いくつかのやり方から選択できるという認識になっているのです。

私が糖尿病の患者さんたちにお勧めしている「糖質制限食」は、まさにそのような欧米の潮流に沿った食事療法です。