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糖尿病

かかりはじめは軽く考えがち。でも、ほっておくと怖い病気です!

 糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリン(血糖を調整するホルモン)が不足したり、インスリンの働きが悪かったりするために、血糖値と呼ばれる血液中のブドウ糖濃度が増え、身体にさまざまな障害が起きる病気です。
 平成12年に総理府が実施した、「生活習慣病に関する世論調査」によると、高血圧や高脂血症に比べ、糖尿病は怖い病気という意識が強いという、結果がでています。
 しかし、発病の初期は自覚症状がないため、病気と気づかずそのまま放置しがちです。そのため、網膜剥離や神経障害などの重大な合併症を招き、日常生活行動 (ADL)や生活の質(QOL)の低下を招きます。  
 一方で、糖尿病は自己管理病ともいわれます。糖尿病と診断されても、血糖値のコントロールができれば普通の健康人と何ら変わりのない生涯を過ごすことができます。

 

■初期は怖いと思う人が少ない糖尿病

  怖い病気とは思わない 少し怖い病気だと思う 非常に怖い病気だと思う わからない
糖尿病についての感じ方
5.8%
21.4%
71.0%
1.9%
高血圧についての感じ方
7.8〃
37.6〃
52.5〃
2.1〃
高脂血症についての感じ方
7.7〃
38.9〃
37.6〃
15.8〃
「生活習慣病に関する世論調査」(平成12年2月総理府)より


インスリンの分泌や働きが悪くなると糖尿病になります。

 食事をしますと、食べ物のブドウ糖やアミノ酸が身体に吸収されますが、それとタイミングを合わせて、すい臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
 インスリンは、食べ物から吸収されて血液に入ったブドウ糖を筋肉組織に運び、エネルギーとして使われるのを助け、血糖が一定値以上に上昇しないようにしています。
 ですから、すい臓から分泌されるインスリンの量が減少すると、筋肉組織に運ばれなかったブドウ糖が血管内に留まり、血糖値を高めてしまいます。
 また、インスリンは正常に分泌されているにもかかわらず、何らかの原因でインスリンが本来の役割を果たさなくなりこともあります。
 このように、インスリンの分泌や働きが悪くなると、糖尿病になります。

日本人の患者さんの95%は2型糖尿病です。

 糖尿病は、インスリンの分泌状態によって1型と2型の2つに分けられます。

 1型糖尿病は、インスリンを作る細胞が破壊されインスリンがほとんど作られなくなるもので、小児や若い人に多くみられます。
 2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンの働きが悪くなったりするものです。生活習慣が要因と考えられ、中高年に多くみられます。日本人の患者さんの95%は2型糖尿病です。

1型糖尿病2型糖尿病の違い

  1型糖尿病 1型2型糖尿病2型糖
発症年齢 子どもや若年の成人に多い 中高年に多い
発症のスピード 急激に現われる ゆっくりと現われる
発症の要因 インスリンを分泌する細胞が破壊されるために起きる。 遺伝的要因に加えて、運動不足、食べ過ぎ、肥満、ストレスなどの生活習慣が重なることにより、発症する
体 型 やせ型に多い 肥満型に多い
糖尿病こんすい 起しやすい まれにある
経口血糖降下剤の効果 ない ある
インスリンの分泌 著しく低下、または全くない 比較的保たれている
治療の方法 インスリン療法を行う 食事療法運動療法から始め、血糖が下がらない場合には、薬物療法をとり入れる
日本人の患者の割合 全体の5% 全体の95%

 


 2型糖尿病は、もともとその人が持っている遺伝的体質に加え、インスリンの働きを悪くする日常生活の積み重ねが発症の引き金になります。

 

糖尿病の症状―自覚症状と合併症

糖尿病は放置しておきますと、典型的な自覚症状が現われ、合併症へと確実に進みます。

【典型的な自覚症状】

  1. 疲れやすい
  2. 尿の量と回数が多くなる
  3. 異常にのどが乾き、水分を多くとる
  4. 体重が急激に減る

【合併症】

  1. 視力に障害が起きる 糖尿病の検査と診断
  2. 狭心症や脳卒中を引き起こす
  3. 腎臓の機能が悪くなる(末期には腎臓透析)
  4. 手足のしびれが起き、化膿しやすくなる

 

糖尿病であるかどうかは、朝食抜きの空腹時血糖値を計って診断します。

検査項目 判定区分
正常型 境界型 糖尿病型
空腹時の血糖値 70〜110mg/dl 110〜125mg/dl 126 mg/dl以上

 血糖値は高すぎても低すぎても身体に支障がでます。
 血糖値126 mg/dl以上の状態が続きますと、糖尿病の症状が現われ、逆に70mg/dlを下回ると、冷汗・動悸・手首のふるえなど、低血糖の症状が起きることがあります。
 空腹時の血糖値検査の結果、糖尿病型と判定された場合はさらに詳しい検査を行い、糖尿病であるかどうかの診断をします。

検査項目 検査の目的
糖化ヘモグロビン検査 1〜2ヶ月前から検査当日までの血糖管理状態を調べるための検査です。
ブドウ糖経口負荷試験 軽症の糖尿病を見落さないための検査です。空腹時にブドウ糖液を飲んで、一定時間ごとに血糖値の変化を調べます。


 以上の検査の結果、糖尿病と診断された方は、血糖値をコントロールするため食事療法から治療を始めます。


糖尿病の治療法

【食事療法】

 糖尿病の治療には、食事療法運動療法薬物療法がありますが、その中でも、食事療法糖尿病治療の基本となるものです。
 初期の糖尿病は、食事療法をきちんと行うことで進行を防ぐことができます。
 食事療法を始める前には必ず医師の指示に従い、自分にあったものを行うことが大切です。

■適正な体重と適正なエネルギー量の算出の方法

 糖尿病食事療法において、最も大事なことは適正な体重を維持することです。標準体重は、身長との関係で簡単に算出されますので、まず自分自身の標準体重を確認します。つぎに、標準体重を実現するための、1日の適正なエネルギー量を算出し、食事療法の中にとりいれます。
標準体重の算出 1日の適正なエネルギー量の算出

自分の標準体重を算出してみましょう!

身長(m)×身長(m)×22=標準体重(kg)

例)身長170センチの人の適正な体重は?
答え)1.7×1.7×22=63.6s

標準体重
×
体重1sあたりの必要エネルギー量
(約30kcal)

例)身長170センチの人の適正なエネルギー量は?
答え)63.6×30=1908kcal

※体重1sあたりの必要エネルギー量は、1日の生活活動によって
25〜35kcal程度の幅があります


食事療法のポイント
  1. 医師から指示された適正な範囲内のエネルギー量(カロリー)の摂取におさえる。
  2. バランスよく栄養 (糖質 タンパク質 脂質)をとる。
  3. ビタミン・ミネラルの補給をする。
  4. 決まった時間に3食をとる。
  5. 一度にまとめ食いをしない。

 

【運動療法】
 運動療法は、食事療法と並ぶ糖尿病治療の中心となるものです。特に、日本人の95%を占める2型糖尿病の治療には食事療法とともに欠かせません。
 運動療法を始める前には、必ず、血糖や心電図、眼底検査などのメディカルチェックを受ける必要があります。人によっては、運動が病状を悪化させるため、運動をしないほうが良い場合もあります。
 運動療法食事療法と同様に必ず医師の指示に従い、自分にあったものを行うことが大切です。
運動の主な効果は?
インスリンを節約することができます 運動によって、インスリンを使うことなしに糖質を利用することができます。
血管の循環を促進します 抹消への血流がよくなり、手足のしびれやこむら返りなどの神経障害が改善されます。
中性脂肪やコレステロールを減らします 動脈硬化の予防になります。
血圧を下げます 心筋梗塞や脳疾患などの予防になります。
足腰を強くして老化を防ぎます 食事だけの減量で起きやすい、筋肉や骨の衰えを防ぎます。
ストレスを解消します スポーツに熱中することにより、気分爽快になりストレスを発散することができます。


運動療法のポイント
  1. ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を毎日行う。
  2. 運動を始めたら、最低15分以上おこなう。 (10分以内では効果なし)
  3. 運動を開始する時間は、食後1時間以上たってからがよい。
  4. 空腹時の運動は、低血糖を招く危険性があるので、絶対に行わない。
  5. 事故防止のために、運動開始前のウオーミングアップと、運動終了前のクールダウン(軽めの運動)を組み合わせる。

 運動療法は肥満の解消にもなり、食事療法と併用することにより相乗効果が現われます。適度な運動を行うと、からだが血液中のブドウ糖をエネルギーとして消費するだけでなく、インスリンの働きが活発になるので血糖値が下がります。 ウォーキングや階段の昇り降りなどだけでも十分な効果が得られます。
 なお、運動療法食事療法と同様に必ず医師の指示に従い、自分にあったものを行うことが大切です。

 

【薬物療法】

 食事療法運動療法で十分な効果がえられなかった時には、薬による治療を開始します。
 薬物療法を始めても、食事療法運動療法の併用は続ける必要があります。  
 近年、糖尿病の治療薬は日進月歩が著しく、患者さんにあった治療薬の選択の幅が広がっています。しかし、糖尿病の原因を取り除いて完全に治してしまう薬はありませんので、食事療法運動療法そして薬物療法を三位一体として血糖値をコントロールすることが大切です。

■経口糖尿病薬の動向 

 

※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。



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