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コラム

08.糖尿病と食事
  糖尿病は年々増加し、今や国民病とまで言われています。私は、時々糖尿病の患者さん達の会で糖尿病治療について話しますが、「40歳すぎたら、10人に1人は糖尿病、50歳過ぎたら皆で仲良く糖尿病」などと言って話をします。ところで、糖尿病には大きく2つのタイプがあるのをご存知ですか。いわゆる生活習慣を基盤とする2型糖尿病と、ほぼ突然にインスリンの分泌のなくなる1型糖尿病です。日本人のほとんどは、前者です。また、食事療法が深く関わってくるのも、2型糖尿病です。一方、1型は、主には自己免疫の関与を基盤とするので、インスリン治療が絶対的不可欠なものです。従って、インスリンが不十分であると、食事療法も運動も功を奏しません。以前私は、実習で回ってきた医学部の学生に、「私と糖尿病」で何でもいいから、3分でまとめてくる事を宿題と課しました。3分というのは、カップラーメンやウルトラマンにとって、必要かつ十分な時間で意義がある(?)と説明しました。しかし、実際に、3分以内に起承転結にまとめて、スピーチするのは難しいらしく、なかなかの迷回答もありました。大抵は、私の伯父が、隣の八百屋のおじさんが、時には、バイトの店長がといった話し出しでした。その中で、「最近父が糖尿病になった。その為に、家中で父の食事にあれこれ言うようになった。そしたら、父は食事だけでなく、寡黙になってしまった。」といった学生がいました。私は、「一生懸命家族にために働いてきて、たかが糖尿病になったぐらいで、罪人のように言うんじゃない。糖尿病は食べていけないものは何もない。食べる事は、生きる事とおなじで、食を制限する事は、命を制限することだ。何でも食べて、元気に働き、定期的に検査に通えばそれで良い。」と答えたように思います。また、多分これが一番印象に残っていると思いますが、「医療短大に通う友人で、小児期に糖尿病を発症して、最近視力が落ちたと聞いていたが、とうとう失明した。」と涙ながらに語った学生がいました。これは、極端ですが、大きく分かれた2つのタイプを表していると思います。

 いずれにしろ、糖尿病と食事はきっても切れない仲といえます。糖尿病が有っても無くても、楽しく食事をし、楽しく生きたいものです。                                     小浜智子