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糖尿病の食事



糖尿病とは 食事療法のポイント
糖尿病の診断例 日常生活の注意


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糖尿病とは

 糖尿病とは、すい臓で作られるインスリンというホルモンの作用不足により、慢性的に高血糖になった状態のことです。インスリンが十分に分泌されなかったり、その働きが悪くなると、栄養分が細胞の中に取り込まれなくなり、血液中にブドウ糖などの量が増えてきます。そして長期間高血糖状態が続くと、腎症や網膜症、神経障害などの合併症が起きる場合があります。
 また、糖尿病型にも正常型にも属さない境界型の場合も、内臓脂肪型肥満があると、メタボリックシンドローム(代謝異常症候群)の危険が高まることがわかりました。
 糖尿病の治療の目的は、できるだけ血糖を正常に近い状態に保ち、合併症を防いで健康な人と同様な日常生活を送ることにあります。治療には、食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、食事療法は全ての場合の基本となります。

基準値
 空腹時血糖値  70〜100mg/dl
 HbAc      4.3〜5.8%

糖尿病の診断例
(日本糖尿病学会 2004年)

(1)口渇、多飲、多尿、体重減少など、糖尿病の典型的な症状がある
(2)空腹時血糖値  126mg/dl以上
(3)随時血糖値    200mg/dl以上
(4)HbAc      6.5%以上
HbAcとは:血糖値が採血時点での指標であるのに対し、採血前1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映し、血糖コントロール状態の指標となっているものです。最近はコントロールの良否の判断にはHbAcを用いることが多くなっています。


食事療法のポイント
 
 糖尿病の食事療法は、正しい食習慣とともに、過食を避け、偏食せずに規則正しい食事をすることです。つまり、特別な食事があるのではなく、バランスのよい健康食といわれています。どの食べ物がよい、悪いということよりも、一日3食規則正しくバランスよい食事をとり、それを長く続けるということが重要です。
 ただし、すでに合併症がある方は、食事療法の内容が変わってくる場合がありますので、必ず医師の指示に従ってください。


1  適正なエネルギー量の食事をとりましょう

 適正な体重を保ちながら、日常の生活に必要な量の食事をします。
 エネルギー摂取量は、性別、年齢、肥満度、日常生活やスポーツによる身体活動量、血糖値、合併症の有無などを配慮し設定されます。一人ひとり適正エネルギー量は異なりますので、医師から指示されたあなたの量を守りましょう。
(通常成人男性では1400〜1800kcal、女性では1200〜1600kcal程度となります)

 エネルギー摂取量算出のめやす(成人期)=標準体重(*1)×身体活動量(*2)

*1 標準体重(Kg)=身長(m)×身長(m)×22
*2 身体活動量のめやす(体重1kgあたり)
軽労作 デスクワークが主な職業・主婦など 25〜30kcal
普通の労作 立ち仕事が多い職業 30〜35kcal
重い労作 力仕事の多い職業 35kcal〜

(例)身長160cm 軽労作の場合は28kcal/kgとすると

   1.6×1.6×22×28=1577 約1600kcalとなります。


2  一日3回規則正しく食べましょう

 血糖値を安定させるためには、食事の時間と量をできるだけ毎日一定にすることが大切です。
 一日2食にすると、一回当たりの食事量が増え、食後の急激な血糖の上昇につながったり、空腹の時間が長くなることによって栄養素の吸収が増し、体脂肪がつきやすくなったりします。
 典型的な悪い食べ方として、「朝抜き、昼そば、夜大食い」があげられます。気をつけましょう。



3 栄養のバランスが偏らないようにしましょう

 指示された一定のエネルギー量の中で、身体に必要な栄養素を十分に満たすには、いろいろな食品を偏りなくとることが必要です。
 食品に含まれる栄養素には、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル等があり、それに過不足のないバランスのとれた献立をたてるために、「糖尿病食事療法のための食品交換表」(日本糖尿病協会:文光堂)を利用する方法があります。

「食品交換表」の内容と使いかた(実際に使う際は管理栄養士に相談しましょう)
  1. 身体の中で同じような働きをする食品を6つの表(グループ)に分類しています。(下記参照)

  2. 同じ表の中では好みによって食品を取り替えて選べるようになっています。

  3. 食べる量を表す記号は「単位」です。1単位は80kcalです。
    主たる食品の1単位の分量を覚えましょう。(たとえば、ごはんは50g、小茶碗  1/2杯です)
   ※一日の指示エネルギー量が1600kcalの場合の計算方法は
      1600kcal ÷ 80kcal  =  20単位   となります。

      20単位を表1から表6にふりわけ、さらに朝・昼・夕に配分します。

  食品の選び方と調理のポイント
主に炭水化物を含む食品 表1 穀類・芋類・大豆以外の豆類・炭水化物の多い野菜・種実 炭水化物を多く含みます。
炭水化物の多い野菜には、かぼちゃ、とうもろこし、れんこん、などがあります。
身体を動かす熱源であるとともに、脳や神経系のエネルギー源としても重要です。計量して自分の重量を覚えましょう。
表2 果物 ビタミンや食物せんいが豊富ですが、果糖を含むため血糖を早く上昇させます。

最近の果物は糖度が高く、血糖の上昇や血液中の中性脂肪の増加をまねく場合があるので、食べすぎには注意しましょう。

干し果物や果物の缶詰は嗜好食品となりますので、好ましくありません。

一日の単位量を守り、寝る前に食べるのはやめましょう。
主にたんぱく質を含む食品 表3 魚介・肉・卵・チーズ・大豆とその製品脂の多い肉や魚 血液や筋肉をつくり、血管を丈夫にするたんぱく質を多く含みます。

脂肪分の含有量によって、一単位の分量の違いが大きいので注意しましょう。

干物、練り製品、佃煮、加工品などは食塩を多く含むので、なるべく控えましょう。
表4 牛乳・乳製品 骨や歯に必要なカルシウムを多く含みます。
主に脂質を多く含む食品 表5 油脂・多脂性食品

油は吸収が遅いので、空腹感を紛らわせる効果があります。また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもありますが、少量でエネルギーが大変高いので摂取量を守りましょう。

揚げ物類は、フライや天ぷら1枚で1〜2単位程度の油が含まれる場合がありますので注意しましょう。

動物性脂肪はコレステロールを上昇させる可能性があります。できるだけ植物油を使いましょう。

油が多くなりがちな方は、テフロン加工のフライパンやノンオイルドレッシングを使うことや、調理方法として網焼き、ゆでる、蒸す、煮るといった方法に変更してみましょう。

多脂性食品とは、ごま、ピーナツなどの種実類や脂質を多く含む肉(ベーコン、ばら肉)などのことをいいます。
ビタミン・ミネラルを多く含む食品 表6 野菜・海そう・きのこ・こんにゃく野菜や海草 ビタミン類や食物せんいを含みます。

特に緑黄色野菜は不足しないようにしましょう。食物せんいは、栄養素の吸収速度を抑えるので、食後の血糖上昇を遅らせる効果があります。さらに、血中のコレステロールを低下させ、動脈硬化性血管障害の防止などにも役立ちます。

エネルギー量も低いので、食卓のボリューム感を出すためにもたっぷりととりましょう。

漬物は、食塩を多く含んでいるので、控えましょう。
調味料 みそ・砂糖・みりんなど 砂糖やみそなどの使いすぎに注意しましょう。


4 その他のポイント
献立例 1400kcal

献立例 1600kca

献立例 1800kcal


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日常生活の注意

1 食品を計量する習慣をつけましょう

2 献立をたてたり、食事記録をつけたりして、栄養のバランスをチェックしましょう

3 適正な体重を維持しましょう
 
体脂肪が多いと、インスリンが分泌されても十分に働くことができない「インスリン抵抗性」という状態になることがあります。適正体重を保つことは極めて重要です。

4 ゆっくりよくかんで食べましょう
 早食いをすると満腹感を感じる前に、つい食べ過ぎてしまいがちです。また、血糖値の上昇も早くなり、インスリンの分泌が追いつかなくなります。

5 身体を動かす習慣をつけましょう
 運動は、インスリンの感受性を良くし、高脂血症や高血圧の改善に有効な場合もあります。さらに筋力や心肺機能が向上し、爽快感がストレスの解消にもつながります。
 実際の運動にあたっては、バーベルを持ち上げる、なわとびや階段を上るなどのきつい運動ではなく、誰にでも安全にできる「歩く」ことを生活の中に取り入れてみましょう。めやすとしては一日2回、できれば食後に一回20〜30分、週3回以上が基準となります。
 ただし、運動療法も食事療法と並行して行うことが不可欠です。
 運動にあたっては、必ず医師のメディカルチェックを受けてから行うようにしましょう。

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